卒論で思ったこと。(求める人物像の作成プロセスとその影響)

 

年が明け、卒論の締め切りが近づいてくる今日この頃。

なんとかゼミの先生に合格をもらい卒論を書き上げたので個人的に自分の書いた卒論の内容を簡単にまとめて思ったことを書いていきたい。

 

まず、僕の書いた卒論のタイトルは「アミューズメント業界の求める人物像の作成プロセスについて」だ。

 

就職活動で各企業の選考を受ける毎日で気になったことがある。それはなんといっても「求める人物像」という情報だ。

今まで真剣に会社の業績や仕事内容、やりがいを語っていた企業が急に「求める人物像は明るい人間です」「誠実な人間です」「ひたむきな人間です」なんて言い出す。

いや、その内容なら明らかにストレス耐性の高い人間だろうwww

なんてツッコミを入れながら説明会などでは話を聞く。でもなんだかんだでその「求める人物像」という情報をしっかりとメモを取り、エントリーシートや面接前には「求める人物像」について意識していたりなど、何かと振り回された気がする。

 

だがこの求める人物像、嘘っぽいような気がしてきたのである。

 

明るい人間が欲しいという企業の最終選考などでは明るい人間を見たことがあまりなかった。ここで明るいの基準は人それぞれだと言われるとそれまでだが、求める人物像とギャップのある人間が最終選考に多くいた印象があった。

 

この経験から、「求める人物像は学生を釣る餌」で釣り上げた学生の中で狙いを定めたターゲット層があって選考は学生の中からターゲット層を掘り出す作業だ!(論文ではこんな風には書いてません)と思ったことがこの論文を書こうと思ったきっかけだった。

 

アミューズメント業界の人間をなぜ選んだのかというと、ただ単にアミューズメント業界につてがあったから調べやすいと思ったからだ。

 

形式としては二社の企業の比較をするためにインタビューを選んだ。細かく書くと論文並みになるんでここは省略します。

 

結果としてわかったことは。二社とも作成プロセスが全く違う。とにかく上から指示のように決まった求める人物像を渡されるものもあれば、自社にあった人間の条件をそのまま求める人物像に作成するなど、真逆と言っていい結果になった。

一つ共通していることは「求める人物像」は「企業理念」と深く結びついている。この取材した二社はまさにそれで企業理念を達成するために「求める人物像」を作成している。そのせいか二社とも企業理念の要素を分解、再構成したものが「求める人物像」になっていた。

 

え、それならそれで選考で言わなくてもよくね?

 

となりますが、企業もそこはよく考えていて、学生にはやりがいとか業績いうよりも「求める人物像」みたいにわかりやすい情報を伝えた方が興味を持ってもらえると思っていたみたい。

 

選考の時は確かに求める人物像について気にしていたからね。。。。。

 

じゃあ、それ選考に影響あるの?

って疑問がでるけど実は選考にも影響があって、むしろこっちがメインの役割をしている。

 

この話をする前に選考の目的を伝えておきたい。採用の目的は「いい人」をとること。これは二社とも例外はない。「いい人」をとりたいって思っている。

 

でも人事は人間。機械じゃないので「いい人」は人事のフィルターでバラバラに別れてしまう。

3人の人事がいたとして、3人の「いい人」は全く違うため全くバラバラの人間が最後の選考、社長の前に並ぶ、

そうなると今度は社長の思う「いい人」じゃないといけなくなるわけで、企業のとりたいと思っていた人間が一人もとれないなんて悲劇も起きてしまう。

 

じゃあどうするか、会社にとっていい人の基準を作る。それが「求める人物像」だ。

 

そのため社長が求める人物像を作って人事に渡す企業。企業理念を分解して再構成した「求める人物像」を作って自社にあった人物像を作る企業も出てくる。

 

作った本人たちは求める人物像を基準に採用を進め、その中からより自社にあった人間を選んでいく。

 

これが選考というもので、学生を選別している状態のことだ。

 

しかし例外もある。それは「求める人物像とは別のいい人」つまり面接官個人がどうしても気に入った人間が現れた場合、なんと「求める人物像」の要素を多少無視して次の選考に通すこともある。

「求める人物像」自体が完璧ではないし、一人の面接官が気に入った人間をみんながいいと言える人間を採用できたなら、いい採用ができたのではないだろうか?

むしろ目にしないとわからないことを確かめるために面接をしているから当然起こりうることだ。

 

結果、企業はいい人を採用するためにに求める人物像を作成している。

 

やっぱり、人の好みがあってバラバラになるから

そのため基準で求める人物像がある。むしろ学生よりも企業の方が求める人物像の影響を受けているっていう意外な結果になった。面白い卒論が出来上がった。